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2020.01.18

オーストリア・スイスMTBツーリズムスタディトリップ2019(3)

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こんにちは!
今回はとうとうスイスMTBスタディトリップレポートの最終回になります。
長文ですがお付き合いください。
 
 
 

 到着から5日目はレンツァーハイデから車でサンモリッツに移動、午前はサンモリッツの町並みを観光、ひさしぶりの訪問は感慨深かったです。まさに”トップオブザワールド”!天気のおかげもあって何もかもが自然と調和しつつ輝いていました。ちょっと遅いランチを街中でいただき、以前宿泊したポントレジーナと言う隣街に移動。ここはAllegraの代表であるDarcoの住む街です。

 

 

 この日は今回の旅行の一つの目玉だったE-Bikeの活用方法と言うことでE-Bikeでのツアーをお願いしました。地元のガイド会社からフィジオセラピストでもあるターニャが来てくれ、駐車場での簡単な利用講習の後トレイルに向かいます。この日の自分のバイクはBoschユニット付きのTrek - Powerfly7です。

 

ツアーコースは以前にも走ったことのあるトレイルで、前回は峠の上まで列車にMTBを乗せ下りだけを楽しんだのですが、今回はその登りをE-Bikeでグイグイ上がっていきます。

 

 

川沿のシングルトラックを景色を楽しみながら上がってゆき、だんだんに標高を上げていくとモルテラッチ氷河が見えてきます。途中車道も挟んで峠にある湖に到着。E-Bikeのパワーは凄いですね、前回の列車の時間を気にして、切符を買って、実際に積んで降ろしてなんて手間を考えたら本当に利便性も高く滞在時間を更に有効に使える様に感じました。もちろんこの後登ってきたトレイルとちょっとテクニカルな下りを交えてのライドも普通のMTBをあまり違和感なく楽しめましたし、前回の文章にもある様に参加者の中にはヨーロッパでMTB本格デビューの方もいたのですが、4時間バッチリライドして帰ることが出来ました。

 

 

そうそう、氷河と言えば最近お温暖化で年々縮小されているのを様々な媒体で見かけますね。モルテラッチも例外ではなく、氷河のすぐそばまで行けるトレイルがあり、その道沿いには年代ごとに以前はここまで氷河があったとの看板が立っており、その溶けてゆくスピードの速さスケール感に圧倒されます。やはり3年前の訪問より更に小さくなっており、考えさせられました。そう言った意味では自然環境を大切しなければと思わせてくれる存在意義のあるトレイルではないでしょうか。

 

 

そんなトレイルライドの想いを胸にしながらホテルの向かいのレストランで夕食、近いからと選んだ場所でしたがこれが地元では有名なレストランらしく、フルサービスで生産者からしか直接買えないワインや旬の食材として鹿肉のメニューを美味しくいただきました。

 

この日で滞在中のライドは終了、どれをとっても素晴らしく、それはトレイルのクオリティも勿論良かったのですが、特筆すべきはやはりガイドの素晴らしさでした。フレンドリーかつこちらの様々な要望に応えてくれ、親身になって付き合ってくれました。自分たちは様々なバックグランドを持ち、MTBの経験もまちまちだったので手間もかかって大変だっと思うのですが、本当に良い仕事をしてくれました。やはりMTBの最高の体験を様々なお客様にして頂くにはガイド/インストラクターの存在は大きく、MTBリゾートとして事業の成功にはこの部分も非常に重要だと再確認しました。

 

 ちょっと長いですが、この日のE-Bikeツアー4時間を6分に編集したのでご覧ください。激しいライディングはありませんが、変化に飛んだトレイルとE-Bikeの良さを少しでも感じてもらえればと思います。後半バッテリーの関係で最後まで撮影できなくちょっと終わり方がイマイチなのはご勘弁を。

 

 

 翌日は早朝から車で世界的に大きな会議の開催地として有名なダボスへ。実はこの週末ダボスではヨーロッパ最大のMTBカンファレンスが行われており、Allegraはこのカンファレンスの実行委員の一つとして参加していました。その忙しい中代表のDarcoが2時間ほど時間を割いてくれ、皆でヒアリングに向かった次第です。

 

Darcoとの話は興味深く、以前話を聞いた時より更に発展してスケールが大きくなっていました。特にゼルデンの出現により加速したヨーロッパMTBツーリズムの発展、E-Bikeのヨーロッパでの売れ行きの好調さ、リゾートでのスポーツとしてのマウンテンバイクの利用だけではなく、街での交通渋滞や排気ガス等課題への解決策としてのE-Bikeの活用の可能性、E-Bikeによるトレイルの浸食の促進は実際には見られない(昨今のタイヤ幅が大きくなっている事だったり、購入するライダーの嗜好に起因)と言った話は今後の日本市場の参考になるかなと思います。

 

 

 

Darcoとの有意義なミーティングの後は最終宿泊地チューリッヒへ移動。ホテルチェックインの後は市街地観光をしました。E-キックスクーターを利用してみたり、街ならではのコンセプトホテルの見学はなかなかユニークな体験でした。夜はフージョンレストランで食事、ラテン系のハーフの陽気なサーバーが雰囲気を盛り上げてくれて本当に楽しい食事でした。

 

翌日は午前の個別観光をして昼の便でチューリッヒから、香港、そして成田へ。ここで台風の影響でハプニング発生、成田でのトランジットがうまくできず北海道組は更に成田から羽田、そして新千歳にと移動距離/時間ともに稼がせてもらいました。夜の支笏湖周辺はサファリパーク並みの沢山の鹿が道路脇におり、そして狸やウサギかイタチの様な小動物を避けながらのドライブでスリリング!どうにか無事にニセコに着いたのは深夜でした。

 

 

 

さて、無事に帰路につきながら繰り返し思ったことがあります。スイスには当たり前のことが当たり前で通用する文化背景、歴史、地味な成功を重ねてきた年輪があり、建前の少ない本音でのコミュニケーションから生まれる常識・理解・協力を感じることが多く、そこがスイスの素晴らしさだと。そして大国に陸続きで囲まれた、資源の少ない小国で最大限の利益を上げるための作戦・戦略、それが日本の様にアジアの島国で戦後、人口の急成長からバブルを経験したのとは違うのではと。

 

それらを踏まえ日本にはにはまだまだその潜在的能力もパワーもあると思うので、今回の旅行で見聞してきたことを活かしまだまだMTBがニセコエリア、ひいては日本のレガシーになる様に尽力していきたいと思います。これにて2019年度のMTBスタディトリップのレポートを締めくくらせていただきます。

 

長文読解いただきありがとうございました。

 

また、主催のスキーリゾート研究会ならびに参加者の皆さんお付き合いありがとうございました、この場をお借りして再度感謝の意を表します。

 

 

合同会社NINE 代表 中嶋哲平 

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